ルイーズとリアムがレアの部屋に入ると、医者が意識のないリリーを診察しているところだった。その横では、心配そうに見つめるリオンとレア、そして痛々しそうにリリーを見つめるメアリーがいた。

医者が診察を終えると、リオンに何やら告げているようだ。

「睡眠薬を飲まされておる……絶対安静じゃ。わしも今夜はここに泊まる。何かあったらすぐに呼びに来い」

その言葉にリオンは頷き、レアは辛そうな顔で俯いたままだ。医者はメアリーに薬を渡して説明すると部屋を出て行った。

「すまない、リリー。私のせいだ……私が部屋を出なければ……」

俯いたままのレアは、自分を責めるように何度もリリーに謝っている。
「レア、お前はずっとリリーの世話をしてくれていた。だから、自分を責めないでくれ。俺がもっと配慮するべきだった」

「兄上は悪くない。自分が面倒を見ると言ったんだ。それに、侍女たちを信用できなくて拒んでいたのは私だ……」

「メアリー、レアを休ませてやってくれ。その後は、リリーの世話も頼む」

「かしこまりました」

レアを連れて部屋を後にするメアリー。

「私にも、リリーちゃんの御世話をさせてもらえませんか? お手伝いの人数は多いほうが良いと思います。お願いします」

三人のやり取りを見ていたルイーズは、話しが終わるや否や、リオンに手伝いをさせてほしいと申し出た。

「いや、しかし……」

リオンが返事に躊躇っていると、部屋にはシオンが入ってきた。