「ありがとう」
こんなやり取りも自然に思えるくらい、リオンに心を許している自分に気づいたルイーズ。自分の胸の奥に眠っているであろう気持ちを言葉にできず、もどかしさを感じているようだ。
「私は……、こちらに来てから、懐かしさや安心感を覚えることが多くて……少し、戸惑っています。リオンさんに看病してもらったときも、リオンさんが近くにいることに何故だかすごくホッとして……。記憶がないのに……、一緒に……いたいって思ったんです」
勇気を振り絞って伝えたのであろうルイーズは、顔を赤く染めながら俯いてしまった。
そんなルイーズの話を聞いていたリオンは、最後の言葉に驚いたのか固まっているようだ。
「女学院を卒業したら、辺境に来ないか?」
ルイーズの気持ちを聞いたリオンは、ここぞとばかりに唐突に切り出した。しかし、そんな言葉を聞いて、今度はルイーズが固まってしまったようだ。
しばらくの沈黙が続いたが、ようやく話せるぐらいには、落ち着いたのかルイーズが自分の思いを語り始めた。
「リオンさん、ごめんなさい。私は、侍女になるために、淑女科から侍女科へ移ったんです。何もなかった私が、初めて挑戦してみたいと思って、両親に我儘も言いました。これで、その思いを叶えなかったら、必ず後悔すると思うんです」
やんわりと断られたリオンは、俯きながら何やら考えている様子だが、顔を上げるとおもむろに口を開いた。
「それなら、先ずは婚約をして、卒業後はこのクレメント家で、俺の専属侍女になってくれないか」
「婚約……? 専属侍女……?」
「婚約中は俺の専属侍女になってほしい」
こんなやり取りも自然に思えるくらい、リオンに心を許している自分に気づいたルイーズ。自分の胸の奥に眠っているであろう気持ちを言葉にできず、もどかしさを感じているようだ。
「私は……、こちらに来てから、懐かしさや安心感を覚えることが多くて……少し、戸惑っています。リオンさんに看病してもらったときも、リオンさんが近くにいることに何故だかすごくホッとして……。記憶がないのに……、一緒に……いたいって思ったんです」
勇気を振り絞って伝えたのであろうルイーズは、顔を赤く染めながら俯いてしまった。
そんなルイーズの話を聞いていたリオンは、最後の言葉に驚いたのか固まっているようだ。
「女学院を卒業したら、辺境に来ないか?」
ルイーズの気持ちを聞いたリオンは、ここぞとばかりに唐突に切り出した。しかし、そんな言葉を聞いて、今度はルイーズが固まってしまったようだ。
しばらくの沈黙が続いたが、ようやく話せるぐらいには、落ち着いたのかルイーズが自分の思いを語り始めた。
「リオンさん、ごめんなさい。私は、侍女になるために、淑女科から侍女科へ移ったんです。何もなかった私が、初めて挑戦してみたいと思って、両親に我儘も言いました。これで、その思いを叶えなかったら、必ず後悔すると思うんです」
やんわりと断られたリオンは、俯きながら何やら考えている様子だが、顔を上げるとおもむろに口を開いた。
「それなら、先ずは婚約をして、卒業後はこのクレメント家で、俺の専属侍女になってくれないか」
「婚約……? 専属侍女……?」
「婚約中は俺の専属侍女になってほしい」