ルイーズとエリーが皆の待つ部屋に入ると、良い香りに釣られたエマが、二人のところに飛んできた。
「わあ~ 良いにおい。焼きたてね、お茶をしながら話しましょう」
テーブルに全員分のお茶とマドレーヌを置くと、ルイーズとエリーもソファーに腰掛けた。
「姉上、エリーさん……泣いていたんですか?二人とも目が赤いですよ」
「リアム君、心配かけてごめんね……さっき、ルイーズが昔の記憶を少しだけど思い出したみたいで……嬉しくて」
「本当ですか⁉ 姉上、エリーさん良かったですね」
「うん」「ありがとう」
「二人とも良かったわね! 後でゆっくり話を聞かせてね」
エマに向けて笑顔で頷く二人を、リオンがもの言いたげな様子でじっと見ていると、横に座っているキースが話し出した。
「よし、皆そろったな。こんな時間に訪ねてきて申し訳ない。実は、皆に話があってきたんだ。五日後に、クレメント家で遠征の帰還パーティーが行われる。そのパーティーに、リオンの叔母と、その娘が出席することになっているんだが、二人…いや、おそらくその叔母が、リリーのぬいぐるみに宝石を仕込んだのではないかと、我々は踏んでいるんだ。当日は何があるかわからない。だから、四人は部屋で待機してほしい」
「分かりました。そういう事情なら、当日は大人しくしています。ところでリオンさん、そのパーティーに来る娘さんというのは、縁談を持ち掛けられている従妹のことですか?」
「ああ、そうだ」
「そうなのか?」
「ああ」
エマの問いに答えるリオンと、縁談の話を知らなかったキースのやり取りを見ながら、二人に鋭い眼差しを向けるエマ。
「もしかして、今日騎士団の練習場で、リオンさんが女性に囲まれていたのは、何か理由があるんですか?」
「わあ~ 良いにおい。焼きたてね、お茶をしながら話しましょう」
テーブルに全員分のお茶とマドレーヌを置くと、ルイーズとエリーもソファーに腰掛けた。
「姉上、エリーさん……泣いていたんですか?二人とも目が赤いですよ」
「リアム君、心配かけてごめんね……さっき、ルイーズが昔の記憶を少しだけど思い出したみたいで……嬉しくて」
「本当ですか⁉ 姉上、エリーさん良かったですね」
「うん」「ありがとう」
「二人とも良かったわね! 後でゆっくり話を聞かせてね」
エマに向けて笑顔で頷く二人を、リオンがもの言いたげな様子でじっと見ていると、横に座っているキースが話し出した。
「よし、皆そろったな。こんな時間に訪ねてきて申し訳ない。実は、皆に話があってきたんだ。五日後に、クレメント家で遠征の帰還パーティーが行われる。そのパーティーに、リオンの叔母と、その娘が出席することになっているんだが、二人…いや、おそらくその叔母が、リリーのぬいぐるみに宝石を仕込んだのではないかと、我々は踏んでいるんだ。当日は何があるかわからない。だから、四人は部屋で待機してほしい」
「分かりました。そういう事情なら、当日は大人しくしています。ところでリオンさん、そのパーティーに来る娘さんというのは、縁談を持ち掛けられている従妹のことですか?」
「ああ、そうだ」
「そうなのか?」
「ああ」
エマの問いに答えるリオンと、縁談の話を知らなかったキースのやり取りを見ながら、二人に鋭い眼差しを向けるエマ。
「もしかして、今日騎士団の練習場で、リオンさんが女性に囲まれていたのは、何か理由があるんですか?」