その日の午後、六人はリリーの部屋の隣にあるレアの部屋に集合していた。リリーの看病は、王都のタウンハウスから護衛をしてくれたリオンの部下と、メイドのメアリーにお願いしたようだ。

「皆さん、急にお呼び出ししてすみません。どうしても、知っておいてほしいことがあったので、こうしてお集りいただきました」

「ルイーズ嬢、気にせずにいつでも呼んでくれて良い」
「…………」
「…………」

リオンの後ろには、リリーの看病をしている護衛以外の二人の側近が控えていた。その者たちは、普段とは違う主の様子に言葉も出ないようだ。

「……ルーちゃん気にしないで。私とエリーはいつでも大丈夫よ」

ルイーズに声を掛けるエマと、頷くエリー。

「それで、ルーちゃんどうしたんだ?」

レアの問いかけに、ルイーズは「実は……」と言いながら事の経緯を話し始めた。

「今朝、父からの手紙をリアムから受け取ったんです。父は、誰かの身に異変が起きたり、不可解な出来事が起きたら、この手紙を私に渡すようにとリアムに伝えていたそうです。
そして、手紙の内容を確認した私とリアムは、皆さんにもお話するべきだと判断しました」

「誰かの身に異変が起きたり、不可解な出来事が起きたら……それは、リリーちゃんのことかしら?」

「はい、妹さんのことに当てはまると思います。先ずは、異変が起きた原因ともいえる50年前の宝石が、隣国かこの辺境の地にあるのではないかと、父と祖父は考えているそうです。」

「ということは、リリーの側にその宝石があるということなのか……?」

「まだ断定はできませんが、恐らくそうかと」

「……」

エマとレア以外の者たちは、考え込んでいるようだ。

「何故、妹さんの体調不良を異変だと思ったのか、そこから話してもよろしいですか?」

「ああ、教えてほしい」

ルイーズの問いに、リオンが答えた。