一呼吸置いて、私は話し始めた。
「妊娠……してるみたいなの……」
お姉ちゃんの顔は見ずに、下を向いたまま小さく言った。
「病院には、行ったの…?」
怒られると思っていたから、お姉ちゃんの意外な反応に私は驚き、少しだけ安心した。
「…うん。病院で調べてもらったから」
そう、とお姉ちゃんはゆっくり肩を下ろし、紅茶を一口、ゴクンと飲んだ。
「相手の方には、知らせたの?」
「ううん、まだ…」
お姉ちゃんからの質問に、私は力なく答えた。
「お母さん…には……?」
その言葉に私の心臓は、ドクンッと飛び跳ねるように鼓動を刻む。
「言うわけ……ないじゃん。連絡だって取れてないもん」
私は飛び跳ねた心臓を落ち着かせようと、深く息を吸ってからゆっくりと吐き出した。