「そんなにまずかった?」
そう寂しげに言ったお姉ちゃんに、私はゆっくりと首を横に振った。
「何かの病気なの?!」
焦るお姉ちゃんをよそに、私はまたゆっくりと首を横に振る。
「一週間くらい前からね、ずっとなの。食べると気持ち悪くなって、食べてない時もたまになるの」
静かにそう言った私に、お姉ちゃんはやはり焦って言葉を言う。
「じゃあ……何なの…?」
過ごしにくい沈黙が、私たち2人の間を流れた。
「あのねお姉ちゃん、あの…ごめんなさい…」
ダメだ。
うまく伝えらんない。
うまくしゃべれない。
「ユキ…?大丈夫?話したくないなら、今日じゃなくても…」
お姉ちゃんの心遣いを感じる。
「大丈夫。ちゃんと言う。あのね、あたしね……」
ふぅーと息を吐き、紅茶を一口ゴクリと飲む。