夢にリョウちゃんが出てきた。
私の頭をポカンと軽くたたくと
「だめじゃん。ユキは母さんになったんだよ?」
と笑いながら言った。
「リョウちゃんが急にいなくなるからじゃん」
と私は何度も何度も、リョウちゃんを叩いた。
リョウちゃんは笑って、
「ごめんって」
と言った。
でも急に真面目な顔になって、
「母親がこんなんじゃあ、赤ちゃん困るだろ?ユキ、ちゃんとしろ。俺はもういないんだよ」
そう言ってリョウちゃんは消えてった。
同時に目が覚めた。
ふと、暗闇にいた時の事を思い出して、病人服のポケットに手を突っ込んだ。
指に固い物があたり、それを一掴み掴んで出した。
真っ白に光る小石だった。