リョウちゃんは

そこに立ってた。




そして私に背を向け、

歩き出した。



「待って!」

焼けるような喉の痛みに耐え、私はついに声を出した。



そんな声も虚しく、リョウちゃんは歩き続けた。



「待ってリョウちゃん。どこ行くの?」


暗闇へと歩み続けるリョウちゃん。
走っても距離は縮まらない。





「リョウちゃん待って。置いてかないで」






リョウちゃんがピタッと足を止めた。

そして振り返ったリョウちゃんはこう言った。



「来ちゃだめだ」