『治療中』

のランプが消え、中から医者がマスクを外しながら現れた。




「手術は、終わりました。赤ちゃんは元気な女の子です……。」



カナとヨシユキは不安な顔つきのまま、1番聞きたかったことを口に出した。


「ユキは……?」




しばらくの沈黙の後、医者がしゃべり出す。

「妹さんは一命は取り留めましたが、出血が多かったため意識がまだ戻っていません。意識が戻れば安心できますが、戻らないうちはまだ何とも言えません」



「いつ頃、戻るんですか?」

ヨシユキが意を決したように聞いた。



「わかりません。明日かもしれませんし、10年後かもしれません。最悪の場合は………」





わあああっ


カナが泣き崩れた。
ヨシユキはカナの肩を優しく包み込むように抱きしめた。



「今から病室へ移動させます」

そう言った医者の後ろからは、元気な赤ちゃんが専用のベッドへ寝かされて自動ドアをくぐった。

そして酸素マスクをはめたユキが、後から出てきた。