「あの………」


リョウちゃんが何かを言おうと声を出し、ソファから身を乗り出すと、

「まあ、そんな焦んなくても。カナが戻ってきてからでいいでしょ?」


と、ヨシユキさんは優しく微笑む。





昼間、私が紅茶を飲んだのと同じティーカップを4つお盆に乗せて、お姉ちゃんがキッチンから小走りでリビングへと姿を表した。


「おまたせ。私が焼いたんだけどクッキーもどうぞ。お口に合うかわからないけれど…」



そう言うとテーブルに、ティーカップ4つとクッキーの乗ったお皿を置いた。





ヨシユキさんはテレビを消して、真正面に向き直った。
そしてティーカップに手を伸ばし、ズズッと音を立てて紅茶を一口飲んだ。





「単刀直入に聞くわ。リョウスケ君、あなたはユキとお腹の子を養う気はある?養える?」


お姉ちゃんは真顔になって、リョウちゃんの目をまっすぐ見据えた。