10分も経たないうちに、リョウちゃんはマックの2階フロアへと姿を表した。
「ユキ。ごめんな、待った?」
リョウちゃんは片手に紙のコップを持って言った。
「ううん。大丈夫」
まだ気分が良くなってなかった私は、机に突っ伏した頭をゆっくりと上げながら言う。
「どうした?」
リョウちゃんが4人席に座った私の向かいに座った。
しばらくの沈黙の後、私は仕方なしに口を開いた。
「私……ね、妊娠…したみたいなの………」
できるだけ小声で言う。
リョウちゃんは驚いたまま、固まっていた。
「それって、俺の子……?」
黙っていたリョウちゃんが発した言葉に、私は頷くことしかできない。
時計を見上げると、7時40分をさしていた。