はわわっ……初めて間近で見た、ヒロインフローラ。可愛い……可愛過ぎる。フランス人形のような顔は、つるんとしたむき卵肌に、長いまつ毛はけぶるよう。

 それに、ミステリアスな光を秘めた金の目。隣に居る私は二次元の人が三次元に居るという……とてつもない感動の波が、打ち寄せていた。

 一年生の実力テストは、イエルクが学力テスト闘技大会共に首位だったんだけど、そういう条件なら学力で二位だったフローラが繰り上がりで生徒会入りする。

 ……何もかも、ゲームの通りの展開だわ。

「それでは、一年間よろしく頼む。学年の代表の監督生でもある訳だから、より誰かに見られるという自覚を持って、役目を果たしてくれ」

「はい」

 生徒会長エルネストの挨拶を受け、私たちは声を揃えて返事をした。

「……あれ。ロゼッタちゃん。髪型変えた? 可愛いね」

「ありがとうございます。オスカー先輩」

 この前は、私から一目散に逃げていた癖に……オスカーは本当に調子が良いんだから。

「ポニーテール可愛いね。可愛過ぎて、なんだか俺まで可愛くなりそう」