私が貪欲に狙っている魔法界を巡る美食ツアーという目的のためには、生徒会には絶対に入りたい。

 魔法界を救うため、リッチ先生の企みを確定で防ぐことが出来るのは、フローラと各攻略対象者だ。

 そのため、私に協力してくれるという希望の持てるイエルクとフローラとは、出来るだけ親しくなっておく必要性があるんだから。



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 ふたつの月が満月になる日は、危うく逃しそうだった三日後のことだった。

 巨額の富を生み出す双月草の生息する場所が、誰かに知られてしまうのを良くないと考えた私は、一人で学園裏にある魔の森の高原に行くことを決めた。

 しかも、ふたつの月が浮かぶ夜に行くしかない。なんだか、不安でいっぱいになるけど、すべてやり遂げれば手に入るご褒美を思えば、やる気は出て来る。

 あの、名前も知らない魔法使いは、私にふつふつと湧き上がる世界を救うぞと燃え上がるやる気という、永遠に減らないガソリンを与えてくれた。

 魔の森は行くべき場所に行けば、危険な幻獣が居たりはするけど、安全な場所を選んで進めば、運良く何の幻獣に遭うこともなく私は進むことが出来た。