それが目的の乙女ゲームだから、アクィラ魔法学園生徒会入りさえしてしまえば、生徒会のみの特別な行事だったりも多く、そこでイエルクとフローラの好感度だって上げることが出来る!

 エルネストとオスカーの二人は、私が生徒会入りすればとても嫌がるだろうけど、そこはもう貴方たちには一切興味ないですからと引いて、可愛い年下のイエルクとフローラを延々構っていれば良いのよね。

 二人だって、彼の意向を尊重することもなく手段を選ばすロゼッタがエルネストに熱烈に迫っていたから嫌だった訳で、今の私の関心がフローラとイエルクの二人と仲良くなりたいということなら、彼らにはもう関係ないはず。

 そもそも、エルネストとオスカーは攻略対象者になるくらい素敵な人なのだ。もうロゼッタの目的が違うと知れば、きっとわかってくれるだろう。

 そうだよ。生徒会入り……頑張ってみようかな。

「……ディリンジャー先輩、それではまた明日の放課後、図書館で」

「イエルクくん。ありがとう。また明日、図書館でね」

 無表情が標準のイエルクは、私に軽く挨拶をしてから、男子寮へと帰って行った。