パラメーターが上手く上がり、ひと月後に開催される実力テストで優秀な成績を取ることが出来れば、ほんの数人の学生しかなれない監督生に選ばれることになる。

 そして、学年の代表として、生徒会入りすることになる。

 生徒会でのイベントはフローラが二年生になってから、各ヒーローへの分岐する前に辿る共通ルートなので、その前にだってヒーローへの好感度が上下するイベントは発生する。

 つまり、現在二年生で生徒会長のエルネストから、度々『おい、そこの要注意人物』などと、気になっている様子でちょっかいをかけられることになって、好感度を左右するようなエピソードに繋がっていくはずなのに。

 エルネスト以外の攻略対象者だって、生徒会に居るんだから、二人が出会わなければ、これでは何も始まらない……よね?

 二人がもう去ってしまった桜並木には、重要なところで遅刻した毛虫も居なくなって、私は取り残された。

 ただただ、暖かくなって来た春風にふわりと桜が舞った。

 これで、近い未来、花開くはずの恋は、蕾すら芽吹くこともなく、終わってしまった。

 ……という事で、合っているよね?