「なんだか……妙に浮かない顔をしているね」

 なんと、私が居た寮の屋上に居るとんがり屋根に竜は爪を立てて留まり、竜に乗っていた男性は颯爽と飛び降りた。

 黒いローブは長くて、まるでマントのように風で翻った。

「……こんばんは」

 ここで自分が何を言うべきかと考えた時に、一番無難な時間帯に合った挨拶を口にしてしまった。他に何か名案ある人は、どうか提案して欲しい。