歓迎会で着たドレスに着替えた私は、会場前でオスカーに出くわした。

 彼は私を庇って大怪我したことなどを思わせることなく、黒い髪は後ろへと撫で付け、身体に添うすっきりとした夜会服に身を包んでいた。

 オスカーが帰って来てわかったんだけど、オスカーが一人居れば何人もすぐに倒してしまえるので、すぐに勝負はついてしまう。だから、ゲーム通りの展開であればスチル数枚で済んでしまえていたのだろう。

「ロゼッタちゃん。優勝して、嬉しい?」

 誰かからサザールの事を聞いていたのか、オスカーが

「はい。オスカー先輩……あの、ありがとうございます。庇っていただいて……」

 実際のところ、あれは私を狙ったサザールの仕業なんだけど、私を庇ってくれたことに代わりはない。

「俺の代わりに戦ってくれて、ありがとう。勇敢なロゼッタちゃんに感謝しかないよ……優勝賞品って、何なんだろうね?」

「私……王太子殿下にお会いするの、初めてです」

 王太子殿下は色々あって魔法学園に通われていないしし、第二王子エルネストは良く知っているんだけど、王太子様は名前も知らない。