イエルクは冷たく言い放ち、サザールは顔を歪めて私を見た。

「ロゼッタ……悪かった。止めるように頼んでくれ!」

 哀れな声でそう言ったので、私は可哀想に思えてしまった。高慢な性格でプライドの高い兄サザールのこと、当分立ち直れないだろう。

 ひと月ほどベッドで丸まっているかもしれない。

 けれど、それもこれもなにもかも、全部自業自得なのだけど。

「エルネスト殿下。私は謝罪を受け入れます」

「……良いのか?」

 なんならまだまだ苦しめることが出来ると言わんばかりのエルネストに、私は首を横に振った。

「ええ……十分過ぎるほどです。私に謝罪したなど、きっと当分苦しみますわ」

 エルネストはイエルクに確認するように目で合図し、彼が頷いたのを見て、ようやく氷魔法を解除した。


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 魔法学園対抗戦だけど、その後復帰したオスカーの活躍もあり、我らがアクィラ魔法学園が優勝することになった。

 優勝賞品贈呈は王太子殿下からだ。わざわざ来てくれた王太子殿下の前で、汚れたローブのままという訳にもいかず、私たちは正装して出ることになった。