もうすぐエルネストの勝利で終わるだろう。そう思って居た矢先に、顔を歪ませたサザールは客席に届くように風の刃をまき散らし、驚いたエルネストはそれを自分の魔力で防ごうとして広範囲に渡る氷の膜を作ったようだ。
「……危ない!」
私が放った炎の矢は、サザールが不意をついて放った風の刃を壊した。
「卑怯な手を……」
悔しそうにエルネストはつぶやき、サザールは素知らぬ顔で肩を竦めた。
「何を言う。単に手元が狂ったんだ。さあ、続けよう」
サザールはなんでもない事のように、にやにやとした嫌な笑いを見せた。
私はその瞬間、赤魔法を放ちサザールの結界を焼いた。半球の結界が紙のように焼かれものの見事に消え去り、その間に近付いていたエルネストは、サザールの膝を付かせた。
「終わりだ」
「いいや! まだだ!」
サザールは地面から纏わり付く氷に身体を縫い止められるようにして叫んでいたけれど、誰がどう見ても勝負はついてしまっていた。
ピー! っと高い笛の音が響き、審判の声が響く。
「……アクィラが勝利!」
「……危ない!」
私が放った炎の矢は、サザールが不意をついて放った風の刃を壊した。
「卑怯な手を……」
悔しそうにエルネストはつぶやき、サザールは素知らぬ顔で肩を竦めた。
「何を言う。単に手元が狂ったんだ。さあ、続けよう」
サザールはなんでもない事のように、にやにやとした嫌な笑いを見せた。
私はその瞬間、赤魔法を放ちサザールの結界を焼いた。半球の結界が紙のように焼かれものの見事に消え去り、その間に近付いていたエルネストは、サザールの膝を付かせた。
「終わりだ」
「いいや! まだだ!」
サザールは地面から纏わり付く氷に身体を縫い止められるようにして叫んでいたけれど、誰がどう見ても勝負はついてしまっていた。
ピー! っと高い笛の音が響き、審判の声が響く。
「……アクィラが勝利!」