ーーーーその時に、私は不思議な力を感じた。温かな何かが、ふわりを私を全部包み込むような感覚。
ロゼッタ・ディリンジャーは赤魔法を使う。これは、生まれた時の性質によるもので、彼女が選べるような話ではない。
髪の毛や瞳の色と同じようなもので、それは変えられない。
赤魔法の上級魔法を使うことは出来るけれど、それ以外の魔法は使うことは出来ない。だから、その時に私は補助魔法を誰かかが掛けたのかと思った。
周囲を見渡してもそんな様子はないし、向こうの方で強敵と戦うエルネストや三年生の先輩たちだって、こちらを見る余裕すらない。
もしかして……さっき身に付けた鷹が描かれた、あの指輪?
右手を見れば青い光が取り巻き、まるでその中に居る鷹が動いているように見えた。
「……何? これ……」
指輪が光を放っている。指輪の中に、封じられた魔法……? 私の、魔力を増幅させるような、不思議な光。
「ディリンジャー先輩!? どうかしたんですか?」
近くに居る私の動きがおかしいと察したイエルクは、不思議そうにこちらを見ていた。
「なんでもない! あの結界に、穴を開けるわ!」
私の赤魔法を一点集中させた。予想ではそこに小さな穴が開けば良い程度に思って放った魔法……それが、私たちに相対するグーフォの学生二人を囲む結界を焼き尽くすなんて、思いもしなかった。
「なっ……!」
「嘘だろ!?」
ロゼッタ・ディリンジャーは赤魔法を使う。これは、生まれた時の性質によるもので、彼女が選べるような話ではない。
髪の毛や瞳の色と同じようなもので、それは変えられない。
赤魔法の上級魔法を使うことは出来るけれど、それ以外の魔法は使うことは出来ない。だから、その時に私は補助魔法を誰かかが掛けたのかと思った。
周囲を見渡してもそんな様子はないし、向こうの方で強敵と戦うエルネストや三年生の先輩たちだって、こちらを見る余裕すらない。
もしかして……さっき身に付けた鷹が描かれた、あの指輪?
右手を見れば青い光が取り巻き、まるでその中に居る鷹が動いているように見えた。
「……何? これ……」
指輪が光を放っている。指輪の中に、封じられた魔法……? 私の、魔力を増幅させるような、不思議な光。
「ディリンジャー先輩!? どうかしたんですか?」
近くに居る私の動きがおかしいと察したイエルクは、不思議そうにこちらを見ていた。
「なんでもない! あの結界に、穴を開けるわ!」
私の赤魔法を一点集中させた。予想ではそこに小さな穴が開けば良い程度に思って放った魔法……それが、私たちに相対するグーフォの学生二人を囲む結界を焼き尽くすなんて、思いもしなかった。
「なっ……!」
「嘘だろ!?」