「ねえ。フローラ。貴女は一年生でしょう? 私の方が上級生なんだから、私を出させて。大丈夫だから」

 安心させるように私はそういうと、怪我をしたオスカーが運び出されていくのを横目に、杖を取り出した。

 私の使う赤魔法は攻撃することしか、出来ないんだけど……ここでは、そうであった方が良いのかもしれない。

 遠慮なく攻撃して来た相手を、やり返すことが出来るのだから。

「わかりました! 応援していますから。怪我をしないように気をつけてください!」

「ありがとう」

 フロータにお礼を言った私は、会長のエルネストに目配せをしてから、会場へと降り立った。

 そして、面白そうな表情のサザールと目が合ったので、彼を睨み付けた。