エルネストは生徒会長で、彼は第二王子……今日は力量を見られるだろうし、私と話している時間なんて、本来であればないはずだ。

「まあ、事情はわからんが……頑張れ」

 私はその時、大きな手は頭に乗って、意味がわからなかった。だって、私を嫌っているエルネストがそんなことをするなんて、思わなかったし……。

「ありがとうございます。頑張れます……」

 私がそう言って彼へ微笑むと、エルネストは変な顔をしていた。


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 いよいよ『魔法学園対抗試合』が始まる……くじ引きの後の、トーナメント戦なので、私たちのアクィラ魔法学園の相手はサザールの居るファルコ魔法学園だ。

「先輩たちー! 頑張ってくださいー!」

 明るくて可愛いヒロインフローラがそう応援すると、生徒会面々はまんざらでもなさそうに、こちらへ手を振ってくれた。

「ロゼッタ先輩! 先輩も、応援しましょうよ!」

「……フローラなら喜んでくれると思うけど、私は止めといた方が良いと思う」