「本当に、ロゼッタなのか? ……調子が狂う」

 エルネストの言いたいことは、私だって理解出来る。

 急に自分に対する態度が180度変わってしまった私に、何があったのかを知りたいと思うことは、当然のことだろうと思う。

「エルネスト様は私のことをあまり良く思っていないと知っています。だから、大丈夫です。もう二度と付き纏ったり……エルネスト様が嫌だと思うことをしたりしませんから」

「……それならば、良い。勝手にしろ」

「はい……ですが、エルネスト様は、今回の件でも立派な方だと思いました。王族として、相応しい方です」

 私の褒め言葉を聞いて、エルネストは変な顔をした。私もそれを見て、微妙な想いになった。

 だって、せっかく彼の気に障らないように気をつけて褒めたのに……こんな顔されるって思わないよ。普通。

「……俺など……兄上に比べたら、平凡だ。それは、お前も良くわかっていると思うが」

 エルネストの兄、王太子の話は、私も知っていた。魔法界の次期王たるその人は、絶大なるう魔力を持ち、その上で二つどころか、三つの属性を持っていると。