どうして腐女子ちゃんって、好物の話になると舌が回っちゃうんだろう。
ニコニコウキウキしているから、言葉を遮るのも罪な気がして。
「カプ名ってね攻めが先で受けが後。カステラで言うとテラっちは受けだね」
いや、遮らせて。
「あのさ、なんでもBLに置き換えるのやめて」と、今度は僕がほっぺをプクり。
笑顔キープの僕が流瑠ちゃんには負の感情もさらけ出せるから、いい意味でストレス発散になってるんだけど。
「テラっちってさ、髪の毛が柔らかなユルフワじゃん。筋肉も脂肪もあんまなくて。背がちっちゃいわ目がグリグリのまん丸だわ。見た目からしてわかりやすい受けなんだけど」
男なのに女の子寄りの外見って言いたいわけね。
自覚あり、耳痛ですがなにか。
「マンガだったら私は俺様受けにしびれるんだよ。顔強魔王様系なのに好きな人だけには甘えるみたいな。そのギャップよくない?」
見た目も性格も俺様とは無縁の僕。
流瑠ちゃんの期待に沿えずすみません。
「あっ、テラっちはそのままでいいからね。推しカプ同士が幼なじみってだけでおいしいんだから。これでテラっちが優雅な王子様の霞くんに甘えてくれたら、胸キュンで脳が破裂して死神に魂を持ってかれるかもな。良い! それ味わいたい! あっ、その時は救急車よろしくね」