・・・・・よくねえーケド。
テーブルに、片手だけ肘つきながら愛想ねえ切り返しで濁したオレの反応に
怒気が孕んでねえことを悟ったのか。
オンナ共は調子を取り戻したみてえに、息を吹き返して「ねっ、この後2次会もあるから来てよ」なんて猫撫で声で付け上がりだす。
・・・・・っるせーな気分だだ下がりだっつの見てわかんねえ?
内心は
引っ切りなしに、話題を提供してくるオンナ共の野次が心底、鼻について正直イマすぐ帰りてえ気分にガムを噛んでた
口を、への字に曲げる。
────同業者のハルに『酒飲みに来るだけでいいから合コン来てくれ』って泣き落とされたから"仕方なく"?ついて来てやったが。
毎度のごとくメンドーなオンナばっか押しが強えのも
ある意味、考えもんだよな。
『頼むよぉ〜。お前いねぇと女の子ちゃんたち来てくんねぇのよ頼むよガッちゃあん〜』なんて気色ばんだ表情のまま
低血圧のオレを叩き起こしやがった挙句、
しつけえゴマスリを一日中、ネチネチねちねち口説かれてっと
こっちの気分も滅入りだすから些か煩わしくなって来たオレは、
貸し1で
合コンっつうー数年ぶりの催しにわざわざ重い腰を起こして出向いてやったワケよ。
なのにフタ
開けてみたら、・・・・・コレ。
(…いつまで続けンだあ?こんな茶番)
合コンなんつーモンは、結婚に先走る若え連中か、独り身の寂しさ抱えた碌でもねえ輩が
お互いのキズ舐め合って慰め合う場所で"イマ"を謳歌してるオレの出る幕じゃねえーっての。
・・・・・オレ、結婚願望ねえし。
人肌は性処理だけで事足りてっし。
口もとを隠すように肘ついて退屈凌ぎに、酒場の店内を舐めまわすよう眼光を動かしてたオレは、
────ふと、
目についたオンナに視線を寄越した。
(………地味)
誰かにムリヤリ連れて来られたのか。
このメンツんなかでは、一際浮いてる『合コン』の『ゴ』の字すらもまるっきり無縁そーな、
全く系統のちげえ冴えねえーオンナ。
コイツらの引き立て役か?
(…絶対え不本意だろ。モロ顔面に出てっし)