────…セッティングされた酒の席。



 両側に、香水クセえオンナがへばり付いて酒の旨さを堪能できねえーのは
 玉に(キズ)だケド。

 宴会のムードは
 どっちかってえと好きなほうで気分的には盛り上がる(たち)



 …とか、ンなどーでもいい小言を胸んなかだけでごちりながら、右から左から前から斜めから。

 メス共の甘ったりい〜声と視線が集中してくんのすら、もう、(かわ)し馴れたもんで追加でビールを
 頼む。



 「えぇまたガクさん追加注文しちゃってぇ。あたしらともっと話しましょうよ〜」

 「そうですよぉ。せっかく来たんですからァ」

 「最近、繁華街にも顔出さないって聞いてアタシ寂しかったぁ。んもう、どこ住んでるのぉ?いつも何してるのぉ?」


 「────っ!こら!!高美!それ聞いちゃルール違反よ!ガクさんのプライベートは詮索しちゃイケナイって掟でしょ?!」

 「えっあ、ごめっ、…ゴメンナサいっ!」


 「────べえーつにいーよ」