「ごめんなさい」


そのまま、原田さんは図書室から飛び出した。


・・・追わなかった。


「ありがとうございます」


一応礼を言う。


「まさか、ドラマみたいな展開があるなんて思わなかったよ」


眼鏡の奥で笑っている。