「今日もかわいいね。髪切った?」 毎朝、毎朝。 自分の彼女以外はほめる櫻井。 もうなれた。 「うん。前髪を切ったんだ~。でもね、誰も気が付いてくれないの」 男の前だから、声を少し高くなっている。 異様にくねくねとしている少女。 この少女の名は―原田 麻実。 ちなみに、櫻井の言葉を唯一鵜呑みにしている人。 男子の前だけ、ぶりっこになっていて正直みんな嫌っている。 「そうなんだ」