「皆様、本日は急な開催にも関わらず、ご来場いただき誠にありがとうございます。株式会社At with HOMEの代表取締役に就任いたしました、本宮和総と申します。」

え?!
At with HOME?!本宮?!

わたしが契約した物件の担当者って、本宮さんじゃなかったっけ?!

わたしが混乱していると、後ろから肩を叩かれ「やっと見つけた!」と成美がやって来た。

「あ、成美。」
「エレナ探したよ〜。ねぇ、あの社長さんめちゃくちゃカッコよくない?!うちのハゲ社長とは大違い。わたし、At with HOMEに転職しようかなぁ〜。」

そう言う、成美の視線はずっと檀上にいる本宮社長に釘付けだった。
本宮社長の挨拶は、まだ続いていた。

「皆様にはご迷惑をおかけする事があるかもしれませんが、どうかご容赦ください。それでは、本日は皆様楽しんで行ってください。ありがとうございました。」

本宮社長はそう言い、深く一礼すると、ステージから下りて行った。

その間も混乱し続けるわたし。

やっぱりあの人、バーで隣に座った人だよね?
ってことは、わたし、、、社長さんと一晩過ごしちゃったの?!

どうしよう、、、
ヤバくない?!

そんなことを思いながら、ふと視線を移すと、本宮社長が色んな人に挨拶回りをしながら、こちらに近付いてくるのが見えた。

ヤバい、、、気まずい。

そう思い逃げようとしたが、本宮社長が近付いてくることに興奮している成美は離してくれなかった。