わたしはチェックアウトの為に慌ててフロントまで走った。
そして、フロントで鍵を渡すと、フロントの女性が「こちらのお部屋はもうお会計済みですよ。」と言った。

「えっ?」
「先に出て行かれた男性のお客様からお支払いいただいております。」

マジか、、、。

わたしは「あ、そうなんですか、、、。」と言うと、ホテルを出た。

今日は日曜日。
わたしは仕事が休みだった為、書き置きに書いてあった住所へ行ってみることにした。

すると、住所通り行ったそこには10階建てのマンションが待っていた。

「え?マンション?」

そう独り言を溢しながら、わたしはエントランスの自動ドアを潜った。

このマンションはオートロックなようで、数字が並ぶ盤に鍵が差し込むところがあった。

わたしは書き置きに添えられていた鍵を取り出すと、そこに鍵を差し込み回してみた。

すると、2つ目の自動ドアが開いた。

わーお、、、

わたしは2つ目の自動ドアも潜ると、右側にエレベーターを見つけ、エレベーターのボタンを押した。

丁度1階にあったエレベーターはゆっくりとドアが開き、わたしはそれに乗る。

書き置きの住所には、"802号室"と書かれていた。

8階ってことだよね?
そう思いながら、8階のボタンを押す。

ゆっくりとドアが閉まり、上っていくエレベーター。

変な緊張感でドキドキするわたし。
わたし、何で来ちゃったんだろ。
不用心すぎない?

今更だが、自分でそう思った。

そして、ポーンという柔らかい音と共に8階に着くと、エレベーターのドアが開いた。

エレベーターを降りると、目の前には"801"と"802"と書かれた2つの扉が並んでいた。