そして、目が覚めると、周りは全く知らない景色だった。
わたしはガバっと勢い良く起き上がった。
「いててて、、、。」
頭が痛い。完全に二日酔いだ。
周りを見渡してみると、そこはどこかのホテルのようだった。
何でこんなとこで寝てるんだ?
すると、ガンガンと二日酔いで痛む頭が昨日のことを何となく思い出させる。
わたし、バーで寝ちゃったんだ。
それから、わたしの隣に座ったあの男の人にお姫様抱っこされて運ばれてる記憶が薄っすらある。
そこで気付いたのだが、わたしは下着姿だった。
昨日着ていた服は、ベッドの下に脱ぎ散らかしてあった。
え?!
思わず布団で身体を隠す。
もしかして、、、わたし、ヤッちゃった?!
あの人と?!
記憶がなくなるまでお酒を飲んだのは初めてで、全然思い出せない。
わたしはホテルのデジタル時計で時刻を確認した。
"9:48"
ヤバッ!チェックアウトしなきゃ!
わたしは床に脱ぎ散らかった服を拾い、慌てて着替えた。
すると、テーブルの上に書き置きがあることに気付く。
"おはようございます。もし宜しければ、使ってください。"
綺麗な字で書かれたそのメッセージの下には、どこかの住所が書いてあり、その横には鍵が添えられていた。