和総さんは、赤ワインを注ぎ、葡萄ジュースの方のワイングラスをわたしに渡してくれた。
そして、軽く乾杯する。
わたしは飲む前から葡萄の良い香りがする葡萄ジュースを口に含んだ。
「わぁ!美味しい!めっちゃ葡萄!」
わたしの感想に笑う和総さん。
笑われたことに、自分の感想があまりにもアホ過ぎたことにわたしは恥ずかしくなった。
「水瀬さん、やっぱり面白いね。」
「すみません、、、。」
「いや、そのままの素直な感想で、俺は好きだよ。」
"俺は好きだよ。"の言葉にドキッとするわたし。
違う違う、好きなのはわたしじゃなくて、わたしの言った感想だ。
「あ、そういえば、わたしが和総さんって呼ぶんですから、和総さんはわたしをエレナって呼んでください。」
「うん、わかったよ。エレナ。」
イケメンは何を言ってもカッコいいなぁ、、、
そう思いながら、わたしは美味しすぎる葡萄ジュースを飲むのだった。
「あ、そうだ。和総さん。」
「ん?なに?」
「ここって家具付きのお部屋なんですか?最初から家具があったので、ビックリして。」
「いや、あれは俺が知り合いのインテリアコーディネーターに頼んで揃えてもらったんだ。何か不足なものあった?」
「えっ?!わざわざ揃えてくれたんですか?!」
「だって、必要でしょ?」
まさか、わざわざ揃えてくれていたなんて、、、
わたしは、あれ全部でいくらかかったんだろう、、、と不安に思いつつ、「おいくら払えばいいですか、、、?」と訊いた。