ちなみにこれら物語の設定と、私達の現実? の世界の設定をすり合わせるために、それぞれの町に《物語進行委員会(ものがたりしんこういいんかい)》という(かげ)組織(そしき)があり、あまり物語からズレてしまいそうになると注意が来る。

 軽めの注意でイエローカード一枚、イエローカードが五枚集まるとレッドカードが来て違反(いはん)キップを切られるそうだ(何それ)。

 あまりに大きくストーリーを変えるような行いをすると、イエローカードを飛び越えてレッドカードを切られることもある、らしい。
 そしてイエローカードは注意を受けるだけで()むが、レッドカードをを切られると大変なことになる、らしい。

 でも、実は何が起こるのか、誰もわからない――――らしい。

 これまでそれほど大きな逸脱(いつだつ)を行った者はいなくて、せいぜいがイエローカードを何枚か切られるくらいで、レッドカードまではいかない枚数で()んでいるのだとか。