「ままぁ！これ買って！」
「またお人形さん買うの？」
「だってこの子可愛いんだもん！ね？いいでしょ？」
「まぁ仕方ないわ。今日はお誕生日だものね!」
「ありがとうまま！」

　私の家にはお人形さんが何人も居る。
　幼少期から何人ものお人形さんをお迎えしていた。
　毎日お着替えさせ、髪をくしでとき、飾り立てる。
　それほどに私はお人形さんが大好きなのである。
　それは高校生になった今でも変わらない。
「はぁ…可愛い。」
　いつしか私はお人形さんになりたいとさえ思うようになっていた。
　そんなある日、私は夢を見た。
　お人形さんになって大切にされる夢。
　その人は私に色んなお洋服を着せ、髪をくしでとき、大切に大切にしてくれた。
　こんなに嬉しいことはないと思った。
　お人形さんになった私はその人に抱きしめてもらった。
　夢はそこでプツリと途切れた。
　「ふぁ〜…いい夢だった！」
　ワタシはお人形達に挨拶をし、学校へ行く支度をした。
「早く学校に行きたいなぁ！」