アッシュが不安そうな顔でシャルロッテを見上げる。

「パパはお仕事ですって。今日はママと一緒にいましょうね」
「いっしょ?」
「うん、一緒。ママね、ちょっと病気になっちゃったの。だから、一緒に眠ってくれる?」
「いっしょ」

 アッシュは頷くとシャルロッテの腕に頭を埋めた、頭をシャルロッテに押しつけるのは狼だったときの癖だ。人間でも狼でも何も変らない。
 シャルロッテは人間用の寝間着を探し出し、アッシュに着せた。以前、オリバーから人間になったときのためにと服が容易されていると聞いていたのだ。
 用意周到で、サイズも多岐にわたっていた。
 中には尻尾が出せるようになった作りのものもある。こういうのは誰が用意しているのだろうか。
 皇族の誰かがせっせと作っていると考えると、少しだけ面白い。
 シャルロッテは大きなベッドの中に入った。もちろんアッシュも一緒だ。

「本当は一緒に遊びたいけど、今日は寝ないといけないの」
「いっしょ、ねる」
「うん、お休み」

 アッシュはシャルロッテの服から手を離さない。
 愛おしさを感じながら、眠りについた。

 ◇◆◇

 いつもよりも暖かくて心地いい。
 腕の中の温もりに、シャルロッテは顔を埋めた。大好きな感触。もふもふでふわふわだ。撫で回していると、もぞもぞと動いた。

(ん? 動いた?)

 シャルロッテは驚きに目を見開く。