ひなの友達とはいえ、女の子に電話するのは緊張する。

何回かのコール音のあと、和華ちゃんの声がした。

『もしもし、律君？』

「もしもし、あの、突然電話してごめん。」

『ひなのことだよね。…ひなね、今うちにいるよ。』

は？

ひな、今和華ちゃん家にいるの！？

でも和華ちゃんと瑛斗、今日は一緒に過ごすんじゃ…

「ひなに、俺何かしちゃったのかな。」

『そうね、まあ。』

うっ、なんか和華ちゃん、怖え…

『ちょっと瑛斗にかわるね。』

え？

瑛斗もそこにいるの？

『もしもし、律？』

電話口から流れてくる瑛斗の落ち着いた声。

「瑛斗、俺何が起こってんのかさっぱりわかんないんだけど！」

すると瑛斗は大きく電話越しにため息をついた。

『ひなのちゃん、恐いんだって。お前と先に進むのが。このまえ学食で話してたろ？あれ、聞こえてたらしい。』

ええっ！？

う、嘘だろ…