そりゃあ、そうなんだろうけどよ…

でもさすがに引かれるよな。

大学一年生にもなって、まだ一度も彼女いたことないなんて。

はあ…

行きたくない。

そして部活が終わって、遅れて入った店にはもうすでに風馬たちが盛り上がっていた。

風馬に自己紹介しろ!と言われ、戸惑いながらもなんとか名前を言う。

彼女がいたことない、ということを余計なことにも風馬が話すと、女の子たちはええっ!と大きく目を見開いた。

やっぱ、引かれたかな。

なんだかその場に居づらくなって、トイレだと言い席を外す。

一人でため息を付いていると、ポケットに入れておいた携帯が震えた。

開いてみると優からのメールだった。

『律兄、この前の写真送るの忘れてから送るね。』

添付された画像に、思わず顔がにやけていく。

桜の木の下で可愛く笑う、愛と無表情の玲。

我が妹ながらなんて可愛いんだ!

玲も愛想よくしてればかなりの美少年なのにな。