携帯、壊れてないかな。

拾い上げると、画面が見えてしまった。

画面にはニコニコ笑ってる、制服姿の可愛い女の子の無表情だけど、すごい美少年。

どことなくこの二人、似てるけど、双子かな。

一ノ瀬君は私の手から携帯を素早く取り上げると、ぱちんと慌てて閉じた。

「…勝手に見ちゃってごめんなさい!」

人の携帯見るなんて、最低だよね。

「じゃあ、私はこれで…」

「あっ、帰るんですか?」

「えっ、はい…わたし、こういう場苦手で…今日も人数合わせなので…」

って、私は何を口走ってるんだろう。

合コンに来といて、こんなこと言うなんて本当につまんない奴って思われた。

「…俺もです。…俺もこういう場、苦手なんです。」

えっ?

意外な彼からの言葉に顔を上げる。

「大学入って、初めて今日無理やり参加させられて…でもやっぱり慣れてないから。」

恥ずかしそうに頭をかく一ノ瀬君。