あたしも今度こそ全部食べなきゃ!

口に運ぶことに一生懸命。

なんとか、食べきった。

けど一ノ瀬君はもうとっくに食べ終えていて。

「ご、ごめんね、あたし、食べるの遅くて…」

「いい、早食いして喉につまらしても困るから。」

ごもっともです…

カフェを出るとまたどこに行こうってなっちゃう。

一ノ瀬君は何が好きなのかな?

普段、どんなお店に行くのかな?

お休みの日は何をしてることが多いのかな?

たくさん聞きたいことはある。

「で、どうする?」

こんなふうにゆっくり二人きりで話せることってない。

クラスも違うし、一番離れてるから。

「一ノ瀬君のこと、いろいろ教えてほしい…」

って!

バカ!

何変なことを口走っちゃってるの!

そんなこと言われても困るでしょうが!

「…俺のこと?そんなのが知りたいの?」

へ?

もしかして、いいの?

あたしはコクコクと頷く。