「これ…」

「ごめんな、俺、あのときすげえ悔しくて、嫉妬して、優にこれ、渡せなかった。」

みいはその手紙を見続けて、そして俺を見上げた。

怒って、る?

だってもしこれを俺が渡していたら、今頃みいと優は…

「持っててくれて、ありがとうね。」

その笑顔に、胸が締め付けられる。

あー、やっぱ俺、こいつのこと好きだった。

大好きだった。

好きになって良かった。

初めて好きになった女の子が、みいでよかった。

「優、俺と同じくらいモテるからな、油断してるととられちまうぞ。」

「うん…、私、優ちゃんに伝える!」

俺の大切な二人が幸せになること、これだって結構いいじゃねえか。

「みい、がんばれ。」

「ありがとう、真ちゃん!」

公園から出ていく後ろ姿。

小さい頃、ずっと隣にいたみいはもう俺の隣にはいない。

だけど優の隣で笑ってくれるなら。

相手はあの優。

まあ、許せるかな。

なんたって俺の、双子の弟だしな!