でも今だけだから。

今だけはみいに俺のことを考えてほしくて。

それから一週間後、夏休みが終わり二学期が始まってすぐ俺はみいと子供の時よく遊んだ公園にいた。

「ごめんなさい、私、真ちゃんとはお付き合いできません。」

俺の目を見てはっきりそういったみいの目に迷いは少しもなかった。

わかってはいたけど、振られるって結構キツイもんだな。

「優と同じ顔でも?」

ふざけてそんなことを聞いていないと、なんだか泣いてしまいそうで。

情けねえ。

俺ってこんなに弱かったっけ。

「真ちゃんと優ちゃんは違うよ。」

俺、みいのこういうとこが好き。

フワフワしてそうに見えて、しっかりしてるとこ。

ちゃんと自分の意見を持ってるとこ。

そういうみいを、好きになったんだ。

「みい、これ。」

俺はみいの手に色あせた封筒を置いた。

「これって…」

俺はずるかった。

卑怯だった。

だけど、もう逃げない。