優の優しさにつけ込んだ。

それから小学生が思いを伝えられるはずなんかもなく、みいは小学四年生の時父親の都合でアメリカへ行ってしまった。

空港でみいが行ってしまったあと、少し泣いたのはひみつ。

もう逢えない、そう思うと悲しくて、辛くて。

だけど少しだけ安心した。

だってみいがアメリカに行く少し前、みいは俺にこんなことをいってきたから。

「あのね、私、優ちゃんのことが好きなの。」

そう言って頬を赤らめるみい。

たまらなく、優に嫉妬した。

悔しかった。

「これね、アメリカに行く前に優ちゃんに書いたの。真ちゃん、渡してくれる?」

俺は無言でその手紙を受け取った。

その日の夜、部屋で宿題をする優をじっと見つめた。

俺とそっくりの顔、ほぼ同じ身長、体重。

兄貴の律兄でさえ見間違えるほどそっくりな俺達。

なのにみいは優が、好き。

俺じゃなくて、優が。

「なに、真。わからないところがあるの?」