真にそう言われると、なんだか負けた気分になる。

「つうかみい、こんなのもわかんないの?」

「もう!真ちゃんのいじわる!英語教えてあげないから!」

「ごめんごめん。嘘だって。ほら、見せてみ?」

そう言って真はみいにぐいっと近づいた。

ほら、俺がモタモタしているうちに真はあっという間にみいとの距離を縮めていく。

みいももしかして、真のことが好きなのかな。

二人がもし両思いなら、俺はみいを潔く諦めるべきなのかな。

そんなこと、できるわけない。

「俺、お茶ついで来るね。」

「ありがとう、優ちゃん。」

なんとなく三人で居づらくて、俺は逃げた。

情けなくなる、自分でも。

お茶をつぎ終わり、部屋にもどると、中からの会話に足を止めた。

「みいは好きなやつとかいないの?」

「えっ…うーん…」

みいの、好きな人。

「…いるよ。」

その言葉に力が抜けて。

みい、好きな人いるんだね。