だから、もう一度会えたとき、絶対に譲りたくないっていう気持ちが再び芽生えた。

芹沢未来、七年前まで俺達の隣の家に住んでいた女の子。

俺達は彼女を『みい』と呼んでいた。

みい、と呼ぶのは俺と、真だけ。

欲しい本があって、買い出しの帰り、真と行った本屋。

文庫本のコーナーで、背伸びして一番上の本棚の本を取ろうとする、小さな女の子がいた。

後ろから見て、わかった。

七年も離れてたのに、すぐにわかった。

「みい?」

「ゆ、優ちゃん!」

七年ぶりにあったみいは相変わらず、可愛くて。

そして、綺麗になっていた。

ものすごく心臓がなった。

こんなとこ、本当に久しぶりだった。

「みい!」

そして同じように名前を呼ぶ真に、不安を覚える。

なぜならその顔は、めったに見ないとても高揚した表情だったから。

真もまだ、みいのことを忘れていなかったのだろうか。

でも真には七年間、何度か彼女がいた。