なんでなのかな。

「みい、制服姿初めて見た。」

そっか、小学校は私服だったもんね。

「似合うかな?」

クルッと一周回ってみたりして。

すみれが丘女学院の白いセーラー服にグレーのプリーツスカート、緑色のリボン。

可愛いって地元でも評判らしい。

「うん、似合うよ。かわいい。」

そんなふうに、ストレートに褒められると…

「…え、と…ありがと…」

恥ずかしくて、赤くなった顔を見られたくなくて、下を向く。

優ちゃんはこういうのに慣れてるのかな。

そっと顔を上げると、顔を抑えて下を向く優ちゃん。

「ゆ、優ちゃん…?」

「ごめん…慣れないこと言って、勝手に恥ずかしくなった。…かっこ悪よな。」

なんだろう、すごく、すごく…

この感情は、何?

「…みい、俺…」

優ちゃんが、あたしの方を見た。

夕陽に染まった優ちゃん。

潤んだ瞳が、キラキラして見えた。