「優ー、いつまでかかんの?そろそろ帰る…」

本棚の後ろから優ちゃんと全く同じ顔をした男の子が顔を覗かした。

「真ちゃん!」

「え、…!?み、みい!?」

私を見て目を丸くする真ちゃん。

一ノ瀬真君は優ちゃんの双子の兄。

小さい頃はみんな見分けがつかないって言ってたけど、私だけはちゃんと見分けられたことが少し自慢だった。

「なんでいるんだよ!帰ってきたのか?これから日本に住むのか!?」

やっぱり話し方とか、仕草とか、この二人は全然違うんだ。

「うん、このまえ帰ってきて。お父さんの仕事、また日本の支社になったから。」

「立ち話も何だし、移動しようよ。」

優ちゃんがそう言って、三人で昔良く遊んだ公園のベンチに移動する。

昔は余裕で三人並べたベンチも今は三人座ったらキツキツ。

「みい、学校はどこいくの?」

「すみれが丘女学院。二人は共学?」

「うん、県立。」