梓君は居残りだったらしく、小テストの愚痴をブツブツ聡太にぶつけていて。

あたしはそんな二人を横目に頭の中では明後日からいよいよ始まるバスケ部夏合宿のことを考えていた。

どうやってアプローチすれば真先輩に伝わるのかな。

うーん…

「あれ、真だ。」

えっ!?

嘘!

梓君が目線を向けた方を見ると、確かに真先輩がいた!

だけど次の瞬間、あたしの気分は落ちに落ち込んだ。

なぜなら、真先輩の隣りにいたのは女の子。

うちの制服じゃなくて、あれは確かすみれが丘女学院のセーラー服。

可愛くておしとやかな子が多いって有名なお嬢様学校だ。

もしかして、あの人が真先輩の好きな人!?

ここからじゃよく見えない!

「しーん!」

あたしの気も知らずに呑気に真先輩の方に駆け寄っていく梓君。

おい!

って梓君はあたしの気持ち知らないから、当たり前か…

部活の先輩だからここで帰るのも変だし、あたしたちも梓君についていく。