「寺嶋、これ。」

修学旅行から帰ってきた真先輩があたしにくれた、アメジストのついたストラップ。

すごく嬉しかった。

あたしだけ、特別なのかなって期待しちゃうくらい。

「ありがとうございます!」

「そんなに喜ぶもんなの?」

軽く笑うそんな先輩も、好き。

毎日話すたびに好きって気持ちが大きくなっていく。

そんななか、勇気をだして聞いた質問。

「真先輩って、好きな人いるんですか?」

最近、彼女と別れたらしい真先輩。

話によると先輩から振ったらしい。

「…まあ、な。」

その横顔はすごく真剣で、いつも自信に満ち溢れてる真先輩の頬が赤くなっていた。

そんなに、好きな人なんだ。

「寺嶋は?」

そんな笑顔で聞かないで。

あたしの好きな人は、今別の人を好きだってあたしに言った。

「あたしも、いますよ。好きな人。」

その人は今別の人を好きだって言って、見たことのない、あたしがずっと見たかった顔をして笑ってる。