この二人は付き合ってんだか知らないけど、両思いなのは確定。

翔也はデレデレしながら笑ってる。

「明日一緒にまわろ!」

夏川君のところ、行くのかな。

「今からどこ行くの?」

「2組の縁日かな?誘われたから。」

やっぱり行くんだ…

「直は?誰とまわるの?」

「俺は別に…」

「なーお!」

誰とも約束なんてしてない、そう言おうとしたのに遮られた。

「英語部でね、例のあのバンドのドキュメンタリー映画流すみたいなの!見に行こうよ!」

さっきのきわどい服から制服に着替えたエマ。

俺はちらりと秋山さんを見る。

「あたし約束してるから、もう行くね!」

秋山さんと一瞬目があったけど、すぐにそらされて、廊下の向こうに走って行っちゃった。

「直、行こ?」

「…うん。」

やっぱり俺の勘違いなのかな。

だったら明日の後夜祭、俺は何を言われるの?

期待と不満とイラつきといろんな感情がまぜこぜになって。

「直さ!明日あたし、すごく楽しみにしてるね!バンドのステージ!」

エマの言葉もなかなか頭に入ってこない。

「直?」

「あ、ごめん!うん、期待してて!」