「だからね、6時半に教室で待ってていいかな?」

何を言われるのか、なんとなくわかる。

やっぱりあの言葉は本当だったんだ。

きっとあの日言われたことを、もう一度言ってくれるんだ。

自惚れかな?

「…わかった。」

俺が言うと少しホッとしたみたいな顔をする秋山さん。

わかったって言ったのに。

俺はもし、秋山さんに告白されたら何ていうの?

なんて答えればいいのかわからない。

自分の気持ちなんてわからない。

「ありがとう…!文化祭がんばろうね!」

そこにいたのはいつも通りの秋山さんで。

「最後の実行委員会、行こ!」

背筋を伸ばした秋山さん。

背が高いことを気にしていた四月よりも今の秋山さんの方がずっとずっといい。

はずなのに、俺は自分が秋山さんを見上げて話していることに始めて嫌だなと思ったんだ。



委員会が終わり、教室に戻るといつもの騒がしいクラスになっていた。

「直ー!みてみて!」

エマは頭にツノをつけてちょっとヒヤヒヤするような丈のスカートを履いてる。